新名神高速道路のトンネルに新設・導入された緑色の光の輪について、
以前にも書きましたが、その続報です!
この春に開通した新名神高速道路の高槻~神戸間(43.1Km)の上下線トンネル8カ所に、緑色の光の輪が時速95Kmで進む「ペースメーカーライト」が設置されています。
西日本高速道路(NEXCO西日本)が新名神で採用したペースメーカーライトは、トンネル両側の上部にあるLED照明を、進行方向に順番に緑色に点滅させる仕組みです!
これは、人間の眼が光を追う心理を利用して、減速を防ぎ渋滞を起きにくくする効果を狙ったものなのです。
さて、このライト、渋滞時には消えるようになってはいるのですが、車の流れがやや悪くなった場合でも光の速度は95Kmのままなんです!(」゚ロ゚)」
それで、ドライバーから「急に車間が詰まって、かえって危険!」といった戸惑う声も出ているみたいなのです。
そもそもドライバーは、一般的にトンネル内の下り坂から上り坂に差しかかる区間で減速しがちで、それが渋滞のきっかけになることが多いらしいのです。
新名神では2Km間隔で車の流れを測定し、時速40Km以下になると管制センターが「渋滞」と判断し、そうしてトンネル内の緑の光を消します。
しかし、やや混雑して車の流れが60Kmに落ちた場合でも、緑の光は95Kmのままで進むのです!
トンネル内を運転したある男性は「緑の光が何のためなのか理解出来ず、目を奪われてる間に、前のトラックに近づいてしまい、慌ててブレーキを踏んだ!」といった危険性を指摘しました。
また、別の女性は、「光に合わせて走行したが、まるで催眠術に掛かったみたいで戸惑った!!!」とも話しています。
NEXCO西日本によると、光に幻惑されて事故に繋がった例は無いということですが、「走行しにくい!」といった趣旨の意見や問い合わせは寄せられているみたいです。
また、NEXCO担当者は、このライトの仕組みについて、サービスエリアで動画による説明等はしているが、「まだまだ周知が十分ではない…。」と認めているそうです。
ペースメーカーライトの効果としては、既に東日本高速道路(NEXCO東日本)が2013年に東京湾アクアラインに導入して、渋滞時間が約8割減った実績がある他、6月に開通した外環道(東京外郭環状道路)でも導入済みなのです!
ただ、光が目線の高さで進む他の導入例とは違って、新名神はトンネル壁面上部から光の輪が広がる独特の仕組みです。
「明滅光は注意を引きやすいため、結果的にドライバーの視野が狭まり、先行車への接近や路面の散乱物に気付くのが遅れる恐れがある!」といった懸念も指摘されています。
今後は「やや混雑」時の対応として、必要であれば「より遅い点滅パターン」を増やすといったことも検討していくらしいです。
いずれにしても
この新技術が素晴らしいモノであることに疑いはありませんが、その導入・実施については引き続き綿密な検証や慎重な検討、そして実際に通行するドライバー達への意見聴取を徹底してお願いしたいものですね…。
〔画像:https://www.asahi.com/articles/ASL8H72HKL8HPTIL02N.html〕 20180827アクセス〕
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