パナソニック株式会社は先月末、半導体事業から撤退すると発表しました。
同社は11月中旬、既に、パナソニック液晶ディスプレイの液晶パネル生産を、
2021年を目処に終了すると発表しました。
パナソニックは、’14年4月に魚津・砺波・新井の北陸工場の半導体ウェハー製造工程を、イスラエルの半導体ファウンドリ企業=タワーセミコンダクター社との合弁会社に移管しています。
また、同年6月には、シンガポール、インドネシア、マレーシアに保有していた同社の半導体組立工場を、香港に本社を置くUTACマニュファクチュアリングサービシーズへ譲渡しました。
その後も、国内外拠点の統廃合を進めていて、
保有資産の最小化による事業リスクの低減を図り、競争力の強化に取り組んできました。
しかしながら、近年は競合他社の勢力拡大、注力事業への巨額投資、M&Aを通じた業界再編の進行等、半導体事業を取り巻く競争環境がより一層厳しくなっていて、
同社が事業を成長させるためには更なる事業運営強化と、継続的な投資が必要になっていました。
こうした状況から、パナソニックセミコンダクターソリューションズ(PSCS)が運営している半導体事業を、台湾に本社を置く半導体企業である、
Winbond Electronics Corporation 傘下の Nuvoton Technology
Corporation(Nuvoton)に譲渡することを決めたのでした。
Nuvotonとは株式資産譲渡契約を結び、’20年6月を目処に事業を譲渡する模様です。
写真はイメージです。パナソニックは、1952年にオランダのフィリップス社との合弁会社として松下電子工業を設立し、
高槻工場で半導体生産を開始しました。
その後、’93年にはフィリップスとの合弁を解消し、松下電子工業をパナソニックの100%子会社としました。
同社にとって半導体事業は60年以上の歴史を持っていましたが、
今回の判断により、一部の部材等を除いて、事実上半導体事業から全面的に撤退することになりました。
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